大規模修繕の見積の責任所在と施工会社選びのヒアリングのポイント
大規模修繕工事を実施するにあたって見積もりの責任所在、そして、施工会社をどう選ぶのか、その際のポイントについてご紹介します。
見積もりの取得の責任所在
責任施工方式として管理組合が施工会社選定を行っていく場合と、設計監理方式として第三者の設計監理会社がコンサルティングに入り、客観的な立ち位置として施工会社を選定していく方式があります。
責任施工方式の場合
責任施工方式の場合は、管理組合の責任において施工会社を選定していきます。
管理組合経由のため、理事会や修繕委員会と意思疎通がしやすいメリットなどがあります。
設計監理方式の場合
第三者的な設計監理会社が入って選定することで、専門的な知見による客観的な業者選定が可能なのが設計監理方式です。
管理会社お抱えの施工会社ではない、公正、公平な競争に基づく選定が働くことが設計監理方式の一番のメリットです。
コンサルがサポートはしてくれますが、最終的な責任は組合にあります。
見積もりは統一する
コンサルがいれば基本心配ありませんが、責任施工方式で組合主導のb亜愛、施工会社各社に自由に見積もりを依頼してしまうと仕様がずれてしまいます。仕様を統一することが基本です。
理想的な方法としては、管理会社の見積もり、もしくはどこか一社の見積もりがあり、それを基準とした見積りを取ることです。
施工会社の選定のポイント
施工会社を選定する上でまずは会社の一覧を作成しましょう。
具体的には、
- 会社名
- 資本金
- 営業年数
- 許認可状況
- 技術者の在籍数
- ISOの取得状況
- 直近の大規模修繕実績
- 決算状況
などから、管理組合として工事を依頼して問題ない会社かどうかをスクリーニングします。この段階において全応募会社から数社に絞り込みます。
ヒアリングを通じて確認すべきポイント
提出期限の確認
見積の提出期限に遅延する施工会社については金額や施工内容が良かったとしても注意が必要です。
会社の風土として、遅延することに対する問題意識が希薄であることも想定され、期日を守らずに工事を行うことも考えられるためです。
金額だけでなく対応の確認も
大規模修繕工事は、3か月~約半年、大規模マンションにおいては半年にも及ぶマンションの一大イベントであり、住みながら工事を行うことから、組合員にも大きな影響を及ぼします。
マンションに対する使いづらさも発生するうえ、工事中にエレベータが止まってしまうこともあるかもしれません。
高齢者が多いマンションであった場合、施工会社から住民に対する対応が丁寧るかどうかも大切な要素です。
このような居住者に対する施工会社のコミュニティ能力も、工事中において非常に大切な要素です。
施工会社が住民とすれ違うことも多々発生するため、そのような時に施工会社や、そこが抱える職人さんがどのような対応をするかも、確認しておかなければなりません。
施工会社の熱意を確認
施工会社がどのような会社なのか、その意欲や熱意、工事に対する本気度合いなどもヒアリング時に確認できます。
また、ヒアリングを通じて、見積金額の見直しを求める場合もあるでしょう。それに応じてくれるかどうかも確認が必要です。
一般的なヒアリング事項
最後に施工会社に対する主なヒアリング内容はをお伝えします。
- 会社の概要や特徴
- 最近の主な大規模修繕実績
- 仮設計画(仮設物の設置や車両移動計画等)
- 安全対策
- 施工管理体制
- 品質管理体制
- 現場代理人予定者
- 履行保証やアフター点検の内容
- 施工会社独自の提案内容等
ヒアリングの際は参考にしてみてください。
まとめ
大規模修繕工事については、金額や施工内容だけではなく、施工会社の担当者のスキルや、個性などもヒアリングを通じて確認していく必要があります。
金額だけでなく親身になって工事をしてくれる施工会社を探し選定していくことが重要です。