シーリング工事とは?知っておくべきシーリング工事の目的と役割
マンションの大規模修繕工事の項目に必ず入っているシーリング工事。そもそもシーリング工事とは何なのでしょうか?
シーリング工事の内容や耐用年数、目的についてご紹介していきたいと思います。
シーリングとは
シーリングと言われても、それが何なのかわからない方が多いと思いますが。けれど、シーリングはマンションの共有部、専有部など至る所で使われています。
例えばマンションであれば、ベランダのサッシや玄関扉など、開口部(かいこうぶ)と言われる、壁や天井に採光、換気など、人や物の出入りの目的設ける窓や扉とンクリート隙間を埋めているものがシーリングです。
つまり開口部との隙間を埋めるために使用されているものがシーリングです。
実際に自宅の外部のサッシの縁を回って一度見てみてください。そのサッシ周りのゴム状のもの、これが「シーリング」です。
シーリング工事の目的
マンションは基本的に鉄筋コンクリート(RC構造)か鉄骨鉄筋コンクリート(SRC構造)の2つの構造があります。
コンクリートと開口部分になる吐き出しや窓、玄関扉との接触部分には少し隙間ができるようにしてあります。
隙間をあける理由は、コンクリートが温度差によって伸縮するためです。
夏など温度があがるとコンクリートが膨張すると開口部分に設置したサッシを押し出してしまい、変形してしまいます。
冬はその反対でコンクリートが収縮してしまうために隙間が空いてしまいます。
温度差によっておこる伸縮に対応してするためにコンクリートとサッシの間には余裕をみて隙間があけてあり、その隙間を埋めてるのがシーリングの目的です。
シーリング工事の役割
マンションで漏水が発生しやすい場所はどこかご存知ですか?
それは開口部分にあたるベランダ部分のサッシだったり窓のサッシとコンクリートの隙間から漏水が発生するケースが多いです。
マンションでは最上階の方以外は、一戸建の家と違って屋根からの雨漏りはありません。
もちろん何らかのトラブルによる上階からの水漏れはありますが、今回は共有部からの漏水という観点です。
そう考えると、屋上ではなく外壁からの雨漏りが一番多いのです。
つまり開口部分とコンクリートとの隙間をシーリング工事でしっかりと処理しておかなければ、漏水を起こしてしまう可能性が高くなるということです。
だからシーリング工事が大切になってくるわけです。
防水面でも大切なシーリング工事ですが、冒頭でお伝えしたコンクリートと伸縮面に関しても大切な役割を担っています。
シーリングがされているから開口部とコンクリートの間に隙間ができず気密性の高く保つことができるのです。
シーリング工事は防水、伸縮、気密という面で大きな役割を果たしているのです。
シーリングの耐用年数
ではシーリング寿命はどれくらいなのか?
シーリングの寿命は5年から10年とされています。この耐用年数の幅が大きいのは建物や環境による違い、またシーリングの種類に違いによってそれだけの差がでてきます。
どのくらい持つのか、もちそうなのかの耐用年数は、実際に施工する施工会社に確認すると良いでしょう。
なお、目視で出来る事としては、
- シーリング部分と壁との間に隙間が出来ていないか(シーリング痩せ)
- ひび割れなどがないか(シーリング剥離)
などの状況になっていれば、シーリング本来の役割はもう果たせていないと判断していいと思います。
シーリングの役割が果たせていなくなっていてもすぐに雨漏りをするということはないのですが、漏水の危険性は高いということになります。
漏水は原因を突き止めるのに、非常に時間がかかるため、予防という観点からも、劣化しているシーリングの状態を発見したらできるだけ早いうちにシーリング工事を行うことをおすすめします。
まとめ
シーリング工事は聞きなれない言葉ですが、快適かつ安心して暮らせる住まい維持のために非常に重要な工事なのです。