マンションの修繕工事の費用を削減するためにできること
マンションは大規模修繕以外にも、日々の暮らしを維持するための計画的な修繕や小規模な小修繕を修繕を行って行かなかければなりません。
マンション住民の皆様の修繕工事における一番の関心ごとは、その費用はいくらなのか、もっと安くならないか、という事であると思います。
そこでどうすればその修繕費を安くすることができるのかをご紹介したいと思います。
もちろんしっかりした修繕を行って安くできなければ本末転倒です。
早期発見・早期修繕で修繕の必要部分を減らすこと
定期メンテナンス行うこと
半年に1度、あるいは一年に1度のメンテナンス検査を行うようにしましょう。
検査は管理組合のメンバーで行うことが理想です。
大切なことは自分たちのマンションがどのようになっているのか知ることです。
検査中に廊下の手摺りの鉄製の部分が錆びていたとか、外壁に白い粉が付いているのを見つけたとか、些細なことを発見することです。そしてそれがなぜそうなったか確認することです。
解明が難しい時は業者呼んで対処します。この早期発見、早期対処こそ、マンションの寿命を長くし、修繕費用を安くする最も大事な対処策なのです。
投書箱という方法も効果的
マンションに住む人の目の数がたくさんあるのです。1戸に4人いるとすれば8つの目があります。50戸ならば400の目になります。
日頃何気なく目についた建物に関しての異常を感じたら投函箱に入れて管理組合に報告します。管理組合はそれを点検して対処します。
これだけでも早期発見、早期修理に繋がります。いつも建物をきれいに保持しようという住人の意識はとてもすばらしいものを生み出します。
正当な見積金額を確保する
工事を発注する時、
発注先の元受け会社A→下請け会社B→孫請け会社C→各種専門職人の会社D
となり、Aに発注した金額が1000万円としたらCの会社は600万円~700万円で請け負うという図式が容易に想像できます。
Aの元受け会社は、工事全般を管理していることになりますが、果たしてそうでしょうか。ではBの下請け会社は何を担当するのでしょうか。
Cの孫請け会社は工事内容に合わせて職人を手配して、工事を完成させていきます。
実質のところ90%はこの孫請け会社Cが行うことになります。直接Cの孫請け会社に発注することはもちろん可能です。
もちろんデメリットがないわけではありません。
孫請けC社は有名な大手企業と違い知名度は決して高くありません。
また火災や爆発事故、会社の倒産、の万が一があった場合、実質的に工事を実行する会社Cは、比較的小規模で弁済能力が弱いことがあります。
私たちマンション管理組合はそのために知名度がある大手の建設会社系列に頼ることが多いです。
マンション修繕工事専門という形でCの会社が存在している
孫請け会社Cは修繕工事では中規模の会社です。そしてこれら会社の多くは建設工事用の保険を付保しています。これはもしも事故や倒産があった場合に対応してくる内容の保険です。
どんな内容の保険かは会社によりますが、それをしっかり確認すればよいでしょう。結局元請けA社に依頼しても、工事を行うのは孫請けC社であれば、それ依頼すれば大幅に費用は削減できるのです。
調査して問題がなければ専門会社Cに発注することで費用削減となります。上記の例で言えば概ね100万円~200万円は減額できる可能性があります。
大規模なマンションは高くても知名度のある施工会社や管理会社、設計コンサルを入れる傾向があります。反対に50戸未満のマンションは実際に工事を行う専門業社に依頼するケースが多いように感じます。
修繕工事の見積もりの取り方
修繕工事業者に見積もりを依頼した場合、各社の工事項目の表現や、面積の数値がまちまちで比較ができない場合が多くあります。
各社の見積書の精査には時間を要し、結局は正確なところがわからないままにどれかの見積書を選択してしまいます。
内容が正しくないものを選んで、無駄な費用を支払うことになります。これを防ぐためにまずは基準となる「共通仕様書」を作成します。これは管理会社に依頼した見積もりでよいでしょう。
この共通仕様書を業者に渡して見積もりをしてもらいます。そうすれば各業者から提出された見積書の比較(見積合わせ)は簡単になります。なぜこの項目は高いのかなぜ安いのかなどと、意味のある深い質疑検討ができるようになります。
またこれだけではフルスペックの見積や過不足があるかも知れません。そのため、見積を依頼する業者には共通仕様の見積とは別に、提案仕様の見積を最低1つ以上提出してもらうように依頼します。
こうすることで、工事の仕様を適正化しつつ、工事費を抑えることができるのです。
工事業者に協力する
業者の見積書の中に諸経費という項目があります。そこには相当な金額が記載されています。その中身は仮設トイレ代、資材置き場代、駐車場代、仮設工事事務所代などです。
これらは工事を行う際に必要な項目なので省くことはできませんが削減することは可能です。これらをマンション敷地内で協力できないか積極的に検討し、転用可能なところを提供することで経費を削減することができるのです。
まとめ
ここでご紹介したことは一例に過ぎませんが、マンションの修繕に高い意識を持って取り組んでいただければ削減は必ずできます。反対に、任せきりのままでは削減は難しいと思います。
マンションは大切な資産、そう考えて取り組んでいただければ必ず良い結果につながるはずです。